この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第1章 始まりの夜

月の光を宿して輝くその瞳に、トンジュはいつしか惚(ほう)けたように見蕩(みと)れている。
「そんな無謀な真似をさせられるはずがないでしょ? 私の結婚にあなたは何も関係ないんだもの。もし、二人で一緒に捕まったりしたら、皆に何と言われることか知れたものではない。最悪の場合、あなたが私を連れて屋敷を出た―つまり、私たちが駆け落ちをしたことになってしまう。そうなれば、あなたの将来も心配だわ。私は世間的に抹殺されるだけで済むでしょうけれど、あなたは」
「そんな無謀な真似をさせられるはずがないでしょ? 私の結婚にあなたは何も関係ないんだもの。もし、二人で一緒に捕まったりしたら、皆に何と言われることか知れたものではない。最悪の場合、あなたが私を連れて屋敷を出た―つまり、私たちが駆け落ちをしたことになってしまう。そうなれば、あなたの将来も心配だわ。私は世間的に抹殺されるだけで済むでしょうけれど、あなたは」

