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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村

いや、果たして、本当にそうなのだろうか。
トンジュの責任感が幾ら強かろうが、彼も所詮は人間である。自分が身軽になって新しい人生を始めるためには、サヨンなど、あっさりと切り捨てるのではないだろうか。
考え始めると、どうも悲観的になって悪い方へとばかり思考がいってしまう。
サヨンは矢も楯もたまらず、再び扉を開けて外に出た。
天を仰ぐと、はるか頭上に黄色い月がぼんやりと浮かんでいるのが見えた。太陽と同様、ここからでは月も朧にしか見えない。
トンジュの責任感が幾ら強かろうが、彼も所詮は人間である。自分が身軽になって新しい人生を始めるためには、サヨンなど、あっさりと切り捨てるのではないだろうか。
考え始めると、どうも悲観的になって悪い方へとばかり思考がいってしまう。
サヨンは矢も楯もたまらず、再び扉を開けて外に出た。
天を仰ぐと、はるか頭上に黄色い月がぼんやりと浮かんでいるのが見えた。太陽と同様、ここからでは月も朧にしか見えない。

