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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
「そうだったの? 必要なものが手に入らなかったの?」
 トンジュはサヨンを安心させるように微笑みかけた。
「いいえ、そちらは抜かりありません。これから一、二ヶ月はまた山に籠もって暮らせるだけのものは調達してきました」
「私、あなたが留守の間、馬鹿なことを考えてしまったわ」
 トンジュの顔に訝しげな表情が浮かんだ。
「―やはり逃げようと思ったのですか?」
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