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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
 サヨンの返事はなかった。無言はなによりの肯定だ。トンジュは拳を握りしめ、立ち上がった。
「さっさと何か着ろ。真冬に素裸のままでは風邪を引く」
 素っ気ないひと言と共に扉は静かに閉まり、トンジュは外に出ていった。しばらく経つと、再び薪を割る規則正しい音が聞こえてきた。
 扉一つを隔てたすぐ側にいながら、今、トンジュとサヨンの間は都とここよりも離れている。
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