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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
「それじゃあ、私はこれで失礼します」
 サヨンはそそくさとその場を離れた。
 鴛鴦の置物を見た途端、欲しくなった理由は他でもなかった。トンジュと自分はまだ祝言らしいものを挙げていなかったからだ。これを見せたら、トンジュは何と言うだろうか。
 余計なものを買ったと怒るのだろうか、それとも、優しい笑顔を見せてくれるだろうか。
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