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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
そこで、サヨンはハッとして、紅くなり蒼くなった。もしかして、もしかして、自分自身にもその可能性はあるのだろうか―? 半月前、トンジュはサヨンを幾度も抱いた。あの時、新しい生命が自分の胎内に宿ったかもしれないのだ。
とても不思議な気分であったが、嫌だとは少しも思わなかった。むしろ、心のどこかでは、そうなっていて欲しいと願う自分がいた。トンジュによく似た愛らしい男の子を腕に抱いている自分というものを思い描くのは愉しかった。
とても不思議な気分であったが、嫌だとは少しも思わなかった。むしろ、心のどこかでは、そうなっていて欲しいと願う自分がいた。トンジュによく似た愛らしい男の子を腕に抱いている自分というものを思い描くのは愉しかった。