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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
サヨンは泣く真似をしながら、頷いた。
と、サヨンはしゃくりあげ、上目遣いに女中を見上げた。
「おばさん、私、何でもおばさんの言うことを聞くから、味方になってくれる?」
女中はギョッとした顔で言った。
「だ、駄目だよ。逃がしてくれって頼まれたって、そいつはできない相談だからね。あたしにも亭主と子どもがいるんだ。一時の情にほだされて、あんたを逃がしたことがバレたら、若さまにどんな酷い罰を食らうことになるかしれやしないからね」
と、サヨンはしゃくりあげ、上目遣いに女中を見上げた。
「おばさん、私、何でもおばさんの言うことを聞くから、味方になってくれる?」
女中はギョッとした顔で言った。
「だ、駄目だよ。逃がしてくれって頼まれたって、そいつはできない相談だからね。あたしにも亭主と子どもがいるんだ。一時の情にほだされて、あんたを逃がしたことがバレたら、若さまにどんな酷い罰を食らうことになるかしれやしないからね」