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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心
「まっ、若奥さまはご実家や姉君さまのご威光をを笠に着て若さまを馬鹿にしてばかりだから、若さまが若奥さまに寄りつかなくなるのも無理はないと思うよ」
それで、今夜は大勢の祝い客が来るため、屋敷内がざわつき、女中も下男も飛び回っているのだという。
「客間には、どんな方がいらっしゃるの?」
無邪気に訊ねれば、声をなおいっそう潜めて〝義(ウィ)承(スン)大君(テーグン)さま(マーマ)だよ〟と教えてくれた。