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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
「大君さま、私のお話を聞いて頂きたいのです」
いきなり切り出したサヨンを、清勇が気違いでも見るような眼で見た。
「話にならん。お前のような者が一体、大君さまに何の話があるというのだ! ええい、誰かいるか、この怪しい娘をつまみ出せ」
清勇が喚くと、すぐに扉が開いて、屈強な男が顔を覗かせた。やはり、呼べばすぐに来られる場所に人を配置しているのだ。間違いなく決行は明日だ。サヨンは確信を深めた。
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