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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
 トンジュはサヨンには構わず、ヨンセを真っすぐに見つめた。
「お願いだから、止めて。あなたを失って、私にどうやって生きてゆけと言うの? お父さまにこんなことを言はずではなかったでしょ」
 サヨンが悲鳴のような声で言った。
 トンジュに取り縋って泣く娘を、ヨンセは苦い薬でも飲んだような表情で眺めていた。
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