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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
若いのに酒場にもゆかず、恋人どころか、浮いた話の一つもない。身持ちが堅いのは女たちには好意的に見られていたけれど、同性の使用人たちは皆、寄ると触ると、〝あいつの糞真面目なところは、おかしい〟と、トンジュが男として身体的欠陥があるのではないかという下卑た噂までが真しやかに囁かれてさえいたのだ。
そこは、いかにも町外れの場末の酒屋といった風情が漂っていた。もちろん、サヨンは、このような見世に脚を踏み入れるのは生まれて初めてのことである。
そこは、いかにも町外れの場末の酒屋といった風情が漂っていた。もちろん、サヨンは、このような見世に脚を踏み入れるのは生まれて初めてのことである。