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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
「お前は自分が何をしでかしてるか判っちゃいないのさ。良いかえ、トンジュや、お前のしてることは正真正銘、立派な犯罪なんだよ? 世間のことも男女のことも何も知らない初(うぶ)なお嬢さんをうまく言いくるめて連れ出すなんざ、単なるかどかわかしじゃないか。それこそ、このお嬢さんがあんたと相惚れになって納得ずくで家を出たとか、お嬢さんが端(はな)からとんでもない男たらしのあばずれだったとかっていうんなら、話はまた別だけどね」
「随分な言い様なのは、俺じゃなくて、そっちの方じゃないのか」
「随分な言い様なのは、俺じゃなくて、そっちの方じゃないのか」