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くちなし
第3章 闇
快感に歪んだ顔をする悠。

「っ……!!」
「悠…気持ちいいの…??」
「クスクス…そんなこと聞くとは…。…っ…キツいな…。」

ーぐしゅ!!ぐちゅ!ー

悠が動くたびに溢れてくる愛液と熱っぽい声。

「ああ…っ!んっ!そこ…っ!」
「ん?ここがいいのかい?クスクス」
「だめ…っ!!なんか変な…っ!」

ーぐちゅ!パン!パン!パン!パン!ー

いきなり激しく突いてくる。

「っ…すごく…いやらしい顔してるよ?クスクス」
「んん!っは!だってぇ…。」
「クスクス…全て愛おしいよ。雅…。
 僕と……っ…。」

聞き取れなかったが、悠は確実に何か私に言った。
僕と…?有り得ないほどの快感が押し寄せてきた。
「悠…もうっ!ダメっ!」
「っ!もうそろそろ?」

ーパン!パン!パン!パン!ー

「んあっ!ああんっ!!」
「雅っ!……っく!」

ービクビク!ー

「はぁ…はぁ…。」
悠に抱きしめられ、体温と香りを感じる。
すごく安心する。

「悠…どうしよう…。私…。」
不安が押し寄せてくる。
好きになってしまったらどうしたらいいのか?

「何か不安かい?」
「………うん。」

ーちゅっー
「大丈夫だよ。僕が雅を守るよ。」
「ううん!違うの!悠を好きになったら…もう…兄弟ではいられなくなるわ…。」
「…全ては僕のせいだよ。雅は大丈夫。
 言ってもいいかい?」
「え…?」
「…雅。好きだよ。ずっと昔からね。」
「っ!!」
涙が出そうだった。
私を昔からそばで見守り支えてきてくれた兄として。
私を好きだと言い肌を重ねてしまった悠。
どちらも同じ人なのに、全て愛おしくなる。

「お兄様としても、悠としても大好きだよ。」

私は、深い深い闇へ突き進んでいるような気がした。
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