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目が覚めたら。
第5章 変態王子が暴走しました。
「ふふふ、物欲しげな顔になった」
そういうナツだって。
すごくすごく欲情した顔つきじゃないか。
相手に求められて嬉しい――。
求められているのがわかるから、さらに求めてしまう――。
それが互いにわかるあたし達は、理性まで溶けかかっているのだろう。
こんな場所でと理性が微動する度に、本能がそれをくるんで蕩けさせる。
それはまるで、ほろ苦いものをコーティングしたチョコのように。
あたし達が味わうのは本能。
理性は本能のスパイスでしかない。
そう思ってしまえるあたしは、末期の甘味中毒者――。
それくらいにあたしは、ナツに酔ってしまっている。
くらくら、くらくら。
頭の中が、蕩けている。
「あぁ本当にもう……可愛いしーちゃんを食べちゃいたい……」
「あたしはナツを食べちゃいたい……」
「~~っ!? もぅ……なんでそんなこと、とろんとした目で言うの!?」
とろんとした目なのはお互い様じゃないか。
ナツは一度体勢を立て直すと、あたし共々本の高さからはみ出ない程度の前傾姿勢になりながら、あたしの腰に手を回してぐいと引き寄せ、体を密着させた。腰から尻を触る後ろ手の動きがかなりやらしい。
やがて生肌の太腿にその手は移動してくる。
ニーハイの靴下は、防御の意味はない。
むしろ覆われていない部分こそ、防御すべき弱い部分なわけで。
スカートの下から、無防備な太腿の外側の肌を、指先でつつつとなぞるように触れてくるナツ。ざわざわとした快感を覚える。
太腿の内側に熱が宿ってくるのに……ナツが撫でるのは外側ばかり。
もどかしくてたまらない。
両足をすり寄せてしまうあたし。
確信犯的な目を寄越して薄く笑うナツが、小憎たらしい。