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第12章 鬼畜帝王が考えました

　
　生理的な涙を流しながら、お腹にあるハル兄の手を掴むと、ハル兄が指を絡ませて握りながら、あたしの足の間に片足を入れる。

　ねっとりと卑猥に動く舌を絡ませ合い、吸い合いながらも、やがて、ちゅぱりと音をたてて唇が離れると、ハル兄の喪失感に寂しくて堪らない。

　ハル兄はいつもの俺様は見る影もないほど、優しい眼差しを向けていて、あたしは心ならずもときめき、悟られまいと顔をそむけてしまう

　するとハル兄は、ため息のような吐息をつきながら、あたしに頬擦りをしてきて、何度もあたしの名前を呼んだ。

「シズ……。シズ……」

　なんだろう、この愛おしさ。

　無性にハル兄が愛おしくてたまらない。


「ハル……」


　そう呼ぶと、急いたような浅い呼吸がして、ハル兄の手が浴衣の襟から忍んできた。

「外、駄目……っ」

「無理」

　下着をすべてずらして、直に手を宛て、リズミカルに胸を揉み込まれると、それだけで息が弾むのに、時折きゅっと胸の先端を押し潰してくる。

「あ、ん……っ」

　変な声が出てしまい焦るが、揶揄されるどころか、よくできましたと言わんばかりに頬を舐められ、おまけにがぶりと囓られた。

　それだけでも、ぞくぞくしてしまう。

　汗が混ざったハル兄の匂いに、体が痺れてしまう。
　細胞が、奮えているのがわかる。

　もっと、ぎゅっとされたい。
　もっと、触って貰いたい。

　開放的だからなの？

　ハル兄に甘えたい。

　この大空の元、ハル兄のことだけを考えて、ハル兄の名前を呼びながら、果ててみたい。

　欲はきりがなく。