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目が覚めたら。
第8章 鬼畜帝王が暴走しました。2
「シズ……気持ちいいんだろ? すげぇきゅうきゅう締め付けてるんだけど。お前、寝ながらイクなよ。なぁ、俺の指じゃなくて、俺のモノ締め付けて、俺の顔見ながらイケよ。なぁシズ、起きろって」


 体がゆさゆさ揺れる。


「ひとりで幸せそうに喘ぐなよ。お前が目覚めたら俺、愛していいんだろ? お前がそう言ったから俺、ずっと我慢してんじゃねぇか……。媚薬効果あるうちに、お前抱きてぇよ。効果切れたら、どんな反動くるかわかんねぇんだぞ?」


 下から、ぱらぱらと不規則に動くものが、色々な角度に擦れてたまらなくなって、それを訴える声は甘ったるい声しか出てこない。


「あぁ……イイ声で啼いて俺を煽りやがって……。ここもこんなにうまそうにおっ勃てて、寝ながら俺に食われたいのか? ん……ちゅぱ……」


 じんじんが大きくなる。

 微睡む白い意識を裂こうとする。


「目覚めねぇと、いい加減……んっ……食っちまうぞ?」



 なにかが迫り上がってくる。

 ぞくぞくとしたものが這い上る背筋が、ぐっと反り返る。


 
「ああんっ、ママ……気持ちいい……っ」



「誰がママだよ。ママがンなことすっかよ」


 あたしの世界を否定する声に、薄く目を開ければ――。



「ん……?」



 目の前には、裸のハル兄がいた。



 濡れた黒髪から滴り落ちる雫。

 紅潮した肌に、熱に潤んだ眼差し。


 凄く扇情的で艶めかしい。

 突然不意打ち攻撃を食らわす帝王は、本当に心臓に悪い。


「えっと、ここ……」



 目が覚めたあたしは――


「風呂」


 温かい湯船の中に入っていました。
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