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不器用なくちびる
第9章 未来
……私は今、暮らしている町から
電車で1時間くらいのところにある
灯台に来ている。
島の灯台に雰囲気が似てるよって
美姫おばさんに教えてもらってから、
何度も通っている場所だ。
ここでいつも考えるのは、将来のことや
…やっぱりあの頃のことだ。
春菜ちゃんとは文通していたけど…
お互い新生活が忙しくて、
1年位前に自然消滅してしまった。
吉井くんのことは…ドラマの中のことの
ようにただキレイな想い出で、
なぜか切なく思い返すことはなかった。
私の頭の中を占めるのは…
橘くんへの切ないような気持ち。
多分、私が彼にしてしまったことへの
後悔が残ってるのかもしれない。
あと、この灯台のある風景が…
ほんとにあの日に似てるから。
あの楽しかった夏の1日に…
そして…心の片隅に椎名のこと。
こっちに来てやっと考えられる
ようになってきたんだけど…
それは海を隔てて遠くにいるから
だったんだろうな。
帰国を1ヶ月後に控えた今、
椎名の記憶はまた私を苦しめ始めている
…あれから3回目の夏が来て、
私は17歳になっていた。
電車で1時間くらいのところにある
灯台に来ている。
島の灯台に雰囲気が似てるよって
美姫おばさんに教えてもらってから、
何度も通っている場所だ。
ここでいつも考えるのは、将来のことや
…やっぱりあの頃のことだ。
春菜ちゃんとは文通していたけど…
お互い新生活が忙しくて、
1年位前に自然消滅してしまった。
吉井くんのことは…ドラマの中のことの
ようにただキレイな想い出で、
なぜか切なく思い返すことはなかった。
私の頭の中を占めるのは…
橘くんへの切ないような気持ち。
多分、私が彼にしてしまったことへの
後悔が残ってるのかもしれない。
あと、この灯台のある風景が…
ほんとにあの日に似てるから。
あの楽しかった夏の1日に…
そして…心の片隅に椎名のこと。
こっちに来てやっと考えられる
ようになってきたんだけど…
それは海を隔てて遠くにいるから
だったんだろうな。
帰国を1ヶ月後に控えた今、
椎名の記憶はまた私を苦しめ始めている
…あれから3回目の夏が来て、
私は17歳になっていた。