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不器用なくちびる
第10章 再会
「ちょっと時間があるから
私の家族の話を聞いてもらおうかな?
このことは公の場では
話していないの。
自分だけのことではないからね。
…私が中3でレイプされた時
弟は小4だったの。
ボロボロになった私が
家に辿り着いた時弟しか
家に居なかったから…
私はその時のことを
あまり覚えてないけど、
弟は見たくないものや
聞きたくない話にいっぱい
触れてしまったと思う…」
自分の経験を、
大勢の人の前で語る葉子先輩は
何度か見たことあるけど
いつも表情は変わらなかった。
なのに…家族のことを話す
葉子先輩の長いまつ毛は
ゆらゆらと揺れていて…
私は、中学時代の自分の両親や
春菜ちゃん、橘くんの顔を思い浮かべ…
その時のみんなの気持ちを考えて
鼻の奥がツンとなった。
当事者だけじゃない。
みんな被害者なんだ…
私の家族の話を聞いてもらおうかな?
このことは公の場では
話していないの。
自分だけのことではないからね。
…私が中3でレイプされた時
弟は小4だったの。
ボロボロになった私が
家に辿り着いた時弟しか
家に居なかったから…
私はその時のことを
あまり覚えてないけど、
弟は見たくないものや
聞きたくない話にいっぱい
触れてしまったと思う…」
自分の経験を、
大勢の人の前で語る葉子先輩は
何度か見たことあるけど
いつも表情は変わらなかった。
なのに…家族のことを話す
葉子先輩の長いまつ毛は
ゆらゆらと揺れていて…
私は、中学時代の自分の両親や
春菜ちゃん、橘くんの顔を思い浮かべ…
その時のみんなの気持ちを考えて
鼻の奥がツンとなった。
当事者だけじゃない。
みんな被害者なんだ…