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不器用なくちびる
第13章 決断
瑞希と出会ったのは、春。
姉ちゃんの母校に手伝いに行った時に
冊子を手渡したのがきっかけだ。

すごく綺麗な子だなと思った。
そして俺たちの活動の内容を熱心に
聞いて、ぜひ自分も手伝いたいって
言ってくれたんだ。

今思うと、香山も同じようなきっかけで
姉ちゃんと知り合ってたんだから、
瑞希より先に香山に会えていれば
今みたいな事にはならなかったのに…
皮肉なもんだな。

その後も、俺は毎回手伝いに行ってる
訳じゃないし香山には全く会えないで…
代わりに瑞希とは必ずと言っていい
ほど同じ日に活動した。

よく動くし…美人なこととか、
後から知ったけど、すげ〜お嬢さま
なこととか全く鼻に掛けない
本当にいい子で。

俺はその時点でも、まだ香山以外
考えられないって思ってたけど
男なら誰でも惹かれるような子だな
って思ってた。

そんな瑞希がなぜか俺に
好意を持ってくれて…
そうなってからの瑞希は
めちゃくちゃ積極的だった。
頻繁なボディータッチや、
手作り弁当やお菓子を差し入れしたり…

まぁ今だからわかるけど、
かなりあからさまに俺の気をひいてた。
そしてすぐ告白されたんだ。
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