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不器用なくちびる
第14章 贖罪
橘くんには会えないまま8月が過ぎ…
9月になると、葉子先輩がモデルの
映画のイベントがいよいよ始まった。

イベントは大きなものから小さなもの
まで様々で、私は残していたバイトも
行けないくらい忙しかった。

でも忙しいと気が紛れて…
橘くんのことを考えなくて済むし、
疲れ過ぎて夜も眠れるから助かった。

瑞希ちゃんと大学で顔を合わすと
幸せそうな2人のことを報告された。
エッチのことは詳しくないけど、
なんでそんなに?っていうくらい
いつもキスマークがついてた。
そんな日はいくら疲れていても
なかなか眠れない私だった…

春菜ちゃんは、橘くんを信じろって
言うけど…なんかもう自信無いよ…

その上今日は、今までで一番大きな
ホールでの試写会&講演会で、
もしかしたら橘くんも
来るかもしれなかった。
人出が足りなくて、春菜ちゃんにも
手伝ってもらうくらいだから…

私は受付をやるし、忙しくて話す時間も
無いくらいだといいな。

その時、橘くんが現れた。
やだ…瑞希ちゃんも一緒だ…
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