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不器用なくちびる
第19章 【栞16才】
今日こそは…
と祈るように、私は
日本から持ってきた携帯を開いた。
と言ってもこの電話は
どこにも繋がらない。
たった一枚の画像を見るためだけに
取ってあるものだから…
それは、橘くんが送ってくれた
島の灯台から見た海の画像…
これだけが、私に残る唯一の
橘くんの思い出の品。
画像を充分に眺めてから目を閉じる。
橘くんと歩いた、灯台へと続く道…
頬に感じる風…
潮の匂い…
あの時、私の隣には確かに貴方がいた。
ずっとずっと上の方にある彼の顔を
見上げると…そこには優しい瞳…
現実の私も
ベッドの中で首を上に向け、
少しでも彼との想い出を
感じようとしていた。
今日こそは…
どうか椎名の夢を見ませんように…
橘くん、どうか私を守って…
と祈るように、私は
日本から持ってきた携帯を開いた。
と言ってもこの電話は
どこにも繋がらない。
たった一枚の画像を見るためだけに
取ってあるものだから…
それは、橘くんが送ってくれた
島の灯台から見た海の画像…
これだけが、私に残る唯一の
橘くんの思い出の品。
画像を充分に眺めてから目を閉じる。
橘くんと歩いた、灯台へと続く道…
頬に感じる風…
潮の匂い…
あの時、私の隣には確かに貴方がいた。
ずっとずっと上の方にある彼の顔を
見上げると…そこには優しい瞳…
現実の私も
ベッドの中で首を上に向け、
少しでも彼との想い出を
感じようとしていた。
今日こそは…
どうか椎名の夢を見ませんように…
橘くん、どうか私を守って…