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不器用なくちびる
第23章 【栞 23才】
でも、長い間近くにいるからこそ
口に出して伝えなければ
伝わらないことってあるよね。
それに今日は誕生日だし…
繋がったまま私を抱きしめると
動きを早める稜くん。
瞼の裏に閃光が走り、
どこかに飛んで行ってしまいそうな私は
稜くんに何とかしがみつく。
「あぁっ!…稜く…
私もっ…あい…っ…」
私の奥深くで稜くんが熱く弾けるのを
初めて感じながら…
彼の耳もとで
彼だけに聞こえるように
愛の言葉を私は囁いた。
✳︎栞 23才 完✳︎