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第21章 好きな人

　こんな顔を、毎回麻人に晒していたのだと思うと、恥ずかしくて死にたくなる。
　それに縛られた格好も。下着姿だし、肌を隠す部分はとても少ない。生身の肌の上に赤い縄が巻かれ、縛られている姿は、すごくいやらしかった。

「もう、やめよ……。ほどいてよ」

　気丈に振る舞いたいのに、羞恥で声が震える。せめて鏡の前から離れたかった。自分の恥ずかしい格好を、自分で見るなんて耐えられない。

「何言ってんすか？　まだなんにもしてないじゃん。せっかく苦労して縛ったのに」
「あ、や……だ」

　麻人の手がブラの上から、乳房を揉む。縄で挟まれた膨らみを、撫でるようにそっと。

「ふ、ん」

　同時にうなじの辺りを舌で舐めあげられ、ぞくぞくとしたものが、背筋を這い上がっていく。
　身をよじるたび、縄に全身を締め上げられて、体の奥がどんどん熱くなっていく。足は自然と内股になってしまう。

「はあ……」

　息をつく。麻人は私の反応を確かめるように、またゆっくりと胸を触る。その手が乳首をかすめた。

「やっ」

　びくっと体が跳ねた。