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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱

「どうせ、熱ある時はイケないんで、満足できないです」
「そうなの?」
「まともに、起たないんで……」

 そりゃ、そうだろう。体が弱ってる状態じゃ、あそこもそんなに機能しなくて当たり前だ。

「なのにしたくてたまらなくなるんだ」
「……はい」

 不思議な体質だなぁと思う。

「小さい頃から、熱を出すといつもこうだったんで。無性に抜きたくなって、触るけど、結局イケずに途中で寝ちゃってました……」

 麻人は目を閉じていた。かすれた聞き取りづらい声で、ぼそぼそと話す。
 熱で朦朧とする中、ベッドの中で必死に自分を慰める麻人を想像すると、それはそれで、酷くエロティックだ。
 私は麻人の唇を、人差し指で撫でた。熱のせいか、乾いてかさかさしている。
 舐めて、濡らしてあげたい。無意識にそんなことを思った。
 麻人は私の指を、ぱくりとくわえてしまう。ちろちろと舐められ、背がぞくりとした。

「こら、しゃぶんな」

 麻人が元気なら、このまま襲ってしまうのに。私が上に乗って、いっぱい感じさせてあげるのに。
 だけど病人に欲情してる自分が、すごく変態みたいで嫌だった。
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