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官能ショートショート『不離岩(はなれずのいわ)』
第1章
ずうっと昔は、あの岩は鬼面岩と言われとった。
ある方向から見るとな、二本の角の生えた鬼の面のような形に見えるのじゃ。
それが、ある事件があってから、いつの間にか不離岩と言われるようになってな。
あれは、もう40年以上も昔の話じゃ。
あのとき、わしも若かった。
ちょうど今時分の、夏至が過ぎた頃じゃった。
この山で若い男女二人が遭難したんじゃ、そう、ちょうどお前さんたちのような……なんで、わかったかというとな、ある男が夜遅くに、村の駐在に駆け込んで来たのじゃ。
「鬼面岩のところで若い男が下に落ちた」とな。
その駆け込んで来た男は、落ちた男の方はまだ生きとる、早く助けてやってくれ、後生だから早く助けてやってくれ、それだけ言うと、姿を消したそうじゃ。
でも、駐在はそれだけでは動けん。
思い当たって村の宿を調べたら、前の前の日に泊まって、山に登ると言って宿を出た若い男女が、その日帰ってくんのに、まだ帰ってこんことが分かった。
ある方向から見るとな、二本の角の生えた鬼の面のような形に見えるのじゃ。
それが、ある事件があってから、いつの間にか不離岩と言われるようになってな。
あれは、もう40年以上も昔の話じゃ。
あのとき、わしも若かった。
ちょうど今時分の、夏至が過ぎた頃じゃった。
この山で若い男女二人が遭難したんじゃ、そう、ちょうどお前さんたちのような……なんで、わかったかというとな、ある男が夜遅くに、村の駐在に駆け込んで来たのじゃ。
「鬼面岩のところで若い男が下に落ちた」とな。
その駆け込んで来た男は、落ちた男の方はまだ生きとる、早く助けてやってくれ、後生だから早く助けてやってくれ、それだけ言うと、姿を消したそうじゃ。
でも、駐在はそれだけでは動けん。
思い当たって村の宿を調べたら、前の前の日に泊まって、山に登ると言って宿を出た若い男女が、その日帰ってくんのに、まだ帰ってこんことが分かった。