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イヤよイヤよも好きのうち
第7章 にいづま
『コウ…くんじゃない?!』
心底ビックリしたような、奥さんの顔。
『…早川と言います。夏目くんと同じ職場の者です。』
俺は立ち上がって、扉の方を向く。
てっきり叫び声でもあげるのかと思ったが、彼女の反応は意外なものだった。
『早川…あ!もしかして、シンジ先輩ですか?!いつも主人がお世話になっております!』
奥さんには背を向けているので、どんな顔をしているのか分からないが…何だか、床に正座しているような気配がする…。
『コウくん…主人が、とても良くしてもらっている先輩だと、毎日話して聞かせてくれるんです。あ、主人は今夜は飲み会で遅くなるそうなんですが…どういったご用件でしょうか?』
……うーん。イマドキの若い子はこんなものなのか?
よくこの状況で、逃げも隠れも悲鳴もあげず、日頃の礼が述べられるものだ。