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イヤよイヤよも好きのうち
第10章 はつたいけん
『ナツミ、いつも言ってるだろ?そーいう所が嫌いなんだ。』
『なんでぇ?ヨウくんは彼氏でしょ?』
『ああ、そうだよ。』
『じゃあなんで、ナツミとえっちしないのぉ?!』
出たよ。
これだ。
また始まった。
『なんでも何も、したくねーからだよ。』
もぉぉぉ面倒くさい!
このやり取り、何万回繰り返したら気が済むんだ、このインラン女はっ!
『なんでなんで?!ナツミのこと好きじゃないの?!』
『はぁー…だから、好きだから付き合ってるに決まってんじゃんって。』
何億回このセリフを吐いたか。
言うたびに小っ恥ずかしい気分になってることを、ナツミは知らない。それは一重に、俺がポーカーフェイスを崩さないからだ。
フン…ガキに心を読まれてたまるかっ!
『ナツミ、もう高校生だよ?心の準備できてるのに…』
『分かった分かった、準備ごくろーさん。ナツミちゃん、とりあえずココおいで?』
部屋の扉前に立って両手を広げる。とびきりにっこりと笑ってあげよう。
『ムー…追い出そうとしてる。』
俺の作戦なんかとっくに見破ってるナツミは、クッションを抱きしめ動かずに睨んでくる。
…これもまぁ、いつものことだ。