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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ


カン、カン、カン、カン…


大学の講義を終えて、午後6時。
スクーター飛ばして15分。いつもの定位置に駐車して、ポストの中身を確認し、二階へ続くアパートの階段を登った先に…


『ユキちゃん!遅っそい!!』


なんでか俺を睨む、チビ発見。


『…は?キリハ、お前何やってんだ?』

『見て分かんない?!ユキちゃんの帰りを待ってたの!』

『いや、俺が聞いてんのは何しに来たんだって…』

『そんなことユキちゃんには関係ないでしょ?!いいから早く鍵開けてよっ!』


真っ赤な鼻。揺れる茶髪のロングヘア。ぐるぐる巻きのマフラーから吹き出た白い息が、寒空に消えていく。


『いや、関係あるでしょ…
しかも何、その大荷物は?まさか、家出してきたとか言うんじゃ…』

『ブッブー違いますぅー!たとえ家出したって、こんな狭い部屋に転がり込むわけないじゃん!あり得ないし!もぉ!くだらないことばっか言ってないで、さっさと部屋入れてよね!』


可愛げのないこのチビは、俺の従兄妹。


スペック
俺、ユキヒト。大学3年。

可愛げのないチビ、キリハ。高校3年。


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