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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ
ガチャ…
『つーか来るなら来るで、先に連絡入れとけよ。
一体いつから待ってたんだ?』
『うひゃあ〜寒かったー!そして、相変わらずだらしのない部屋だねー!お邪魔しまーす』
『おい…』
キリハは俺と三歳違いの従兄妹だ。
俺の通う大学と高校が近くて、たまにこうして俺の部屋に寄ってくる。
『暖房の効きも遅ーい。
家主のユキちゃんに似て、遅ーい。』
『お前ねー…暖房がボロなのは俺のせいじゃないだろー?
…で、いつから待ってたって?』
コートのままコタツに くるまるキリハに、ココアを持って行く。俺はコーヒー片手に、コタツの角を挟んで隣りに座った。
『寒かっただろ?今日はたまたま、バイトも何もない日で良かったけどさ…寄り道することだってあるんだ。俺の帰りがもっと遅かったら、お前どうするつもりだったんだよ。』
『…ふ、ふん、だ。何よ、説教でもする気なの?』
『ふんじゃねーの。
今度からはちゃんと前もって連絡しろよ?風邪でも引いたら大変なんだから。女の子なんだし…体は大事にしとかねーと。な?』
『ぅ…うん、分かった…次からは気をつける//』
ココアを一口飲んだところで頭を撫でると、ようやく素直な返事が聞けた。なぜだか知らんがこのように、キリハは基本、俺に可愛げがない。身長153cm程のチビな成りと、幼さの残る顔立ちで、見た目は普通に可愛らしい。学校でもそれなりに、モテる部類に入ってるんだと思う。