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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ


まったく…目を離すと、すぐこれだ。やっぱりキリハは、俺が見ててやらなきゃダメなんだな〜…


『………』


シンクを拭いてて、気がついた。とゆーか、部屋中が甘い匂いに包まれているから、バレバレだ。


『チョコか…』


壁にかかったカレンダーを見て、ようやく理解した。明日はバレンタイン。キリハは、バレンタインのチョコを作っていたんだ。

どうりで…デカイ荷物持ってるな、とは思ってた。チョコ作りの為の材料と道具一式を、わざわざ運んで来てたのか。


ザーーー…


洗い物をしながらも、俺の気はそぞろ。そういえば…小さな頃からキリハにバレンタインを貰ったことは何度もあったけど…手作りはなかったな。


『つーか、料理自体できねーのに…』


ひとりっ子で甘えて育ったキリハは、家事がなんにも出来ない。しようとさえしない。そんなキリハが自分でチョコを作ったのか…?



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