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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ

ガチャ
『ふうぅー…
ユキちゃん、出ましたぁ〜…』
『………』
『…ユキちゃん?』
キュッ
蛇口を閉めて、振り返らずに俺はそのまま話しかけた。
『キリハ…あったまったか?』
『うん…パーカーありがとぉ//ぇへへ…これ、ユキちゃんの匂いがして…』
『あのさ。チョコでしょ、冷蔵庫の中身って』
『!!』
『人の家来てこそこそと…
バレンタインのチョコ作ってたんだ?』
流しに手をついて、背を向けたまま。そんな態度の俺に、キリハは声を強張らせた。
『中…開けて見ちゃったの?!』
『見てないよ。片付けしたから分かるし…それに、オーブンの匂いが部屋中に残ってるだろ…』
『………あ…そっか//バレちゃったかぁ//』
恥ずかしそうに背後で笑うキリハに、何故だかすごくカチンときた。

