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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『ほらカヨ、高峰さん帰ったわよ。』
コピー機の影に隠れていたあたしに、同じ課の同期が声をかけてくれる。
『今日はちゃんと用があったみたいだけど、ホラ』
手渡してくれたのは、領収書の束。あたしは小声でお礼を言った。
『あ…ありがと。ごめんね、いつもかくまってもらっちゃって。』
『いいわよ、気にしなくて。それにしても…あんた相当気に入られてるよね、高峰さんに。』
『い、いや…気に入られてるってゆーか…』
『だって、決まってご指名受けてるじゃん。下の名前呼ぶのだって、カヨだけだし。気があるのバレバレよね。』
『え…?そうは思えないけど…』
初めてランチをご一緒して以来、なぜか毎日ランチを誘いに来るようになった高峰さん。始めのうちは流されていたんだけど…最近は同期の協力のもと、居留守を使って回避するよう努めている。