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イヤよイヤよも好きのうち
第13章 やさしいひと
『レンジくん…もうすぐ三者面談なの覚えてる?』
『んー?ああ、そだな。』
あたし達は受験生だ。今月末には志望校を確定させて、本格的な受験勉強にとりかからなくちゃいけない。
『レンジくんて、どこの高校受けるの?』
一緒の高校に行きたいって言ったら…迷惑なのかなぁ…
『あ、おれ就職組ね!』
『……えっ!』
『うち片親なんだ。弟もいるし、おれ金稼ぎたいんだよね!』
明るく笑ったレンジくんに、あたしは不安になった。じゃあ…卒業までしか一緒にいられないの?ううん、卒業までも…一緒にいられるのかな…
『ねぇ、レンジくん…』
あたしのこと、どう思っていますか…?
『ん?どしたー?』
答えを聞くのは怖いから…
あたしは腕を回して、レンジくんにキスをした。