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第6章 岬エリカ

夢が叶った時、
これ以上ない幸せに満たされる。

ただ、叶ってしまった後、
目標がなくなってしまい、
これからのこれ以上の目標にもがく。

眠る事もままならないほど、
エリカのスケジュールはぎっしり。
その上、ドラマに出れば台詞を覚える為、
更に睡眠を削られる。
カメラが回れば笑顔を要求される。
AVの仕事をしなくなった分、
精神的には解放された。


脱いだ女優が成功した時、
次第に脱ぐ仕事なしでもやってゆけるようになる。
セクシーなシーンは求められても、
AVよりライトなものばかり。

それは私が望んでいた事なのに、
空気が抜けたように、
ガムシャラな自分が今は居ない。

ただ笑っているお人形のような私。
そんな自分に疲れてしまい、
時に誰も居ない部屋で発狂し、
大声で泣く。

お酒を煽り、
寂しい自分を誤魔化した。


うまくいっているはずなのに‥‥‥
全然満たされない‥‥‥‥