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第6章 岬エリカ

「清水の原点なのね。
私も池波麗子は凄い女優だと思う。
年齢は私のお母さんくらいなのに、
綺麗よね。
役柄によって、彼女はいろんな女を演じるわ。
才能に恵まれた素晴らしい女優さんだわ」

「脱いで一皮も二皮も抜ける女優って、
多いと思うんだ。
裸を晒すって、
物凄い勇気だな。
覚悟も相当だと思う。
だからかな、
引き返せない自分に、
体当たりになって、
女優の底力を魅せるのは。
エリカと池波麗子は似てるよ。
手を抜けない真面目なとこや、
役になりきって、
どんな女にもなれるとこ。
魅力的だよ」


「AVで脱いで本番して、
何人もの男に抱かれた私が？
清水は汚いと思わないの？
手段の為なら、
そこまでする女を？」


「そこまで出来るエリカに、
魅力を感じる」


「綺麗事は辞めて。
なら、私を抱きなさいよ。
私の身体が汚くないっていうなら。
目の前で、何度も男に抱かれて、演技してきた私を、抱いてみなさいよ」

この時の私はおかしかった。
こうして自分を気に掛けてくれる人の、
本音を聞くしかなかったんだ。

そうでもしないと、
壊れてしまいそうだったから‥‥‥