この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その、透明な鎖を
第5章 夏が始まる
「……そんなの、いいのに」
凛が、ぽつりと。
「それより、私のこと見て……?」
「凛――……」
「一緒に気持ちよくなろうよ」
ちゅっ、と。
彼に口づけて。
「私のこと、見て?」
「……うん」
「私の名前、ちゃんと呼んで……?」
「ん、わかった……凛」
今度は彼から、口づけて。
「ごめん」
――そして。
彼女は彼に覆い被さったその体勢から、少し上体を起こして。
再び、腰を使い始める。
「ああ……凛、っ」
彼を、ゆらゆらとした快楽が襲う。
それを味わいながら、ちゃんと、彼女を見た。