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その、透明な鎖を
第5章  夏が始まる


「ああっ、凛! もう――……」


彼の身体が、ぶるっと震えた。
絶頂が、すぐそこにあった。
突いた。
突いて、そして。


「あっ、出る、っ……!」


凛の奥深くへと、それを突き挿れて。


「はっ、あ、あ――……」


ひくん、ひくんっ、と。
それを震わせながら、避妊具越しに何度も射精する。


「あっ、い……っう……!」


――少し遅れて、彼女がか細い悲鳴のような声を小さくあげて。

途端に。


「っ、うあ」


凛のなかが、痙攣するように動いて。
彼のものに絡みついて。
その、たまらない気持ちよさ。


「はっ……何、これっ」


彼は倒れ込むようにして覆い被さってきた凛を抱き締める。
まるで自分がしがみつくように。


「凛、っ、凛――……」



――ああ。
俺はもう、凛に完全にはまってる。



たまらない快楽の中。
はっきりしていたのはそれだけ。

ただそれだけを、彼はぼんやりと思った――……。




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