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その、透明な鎖を
第8章 認めたく、なかったのに
「ん、んんっ――――」
苦しそうな彼女の声など、聞こえないふりをして。
深く差し込んだ舌で、その柔らかな口の中を執拗に舐めて、彼女の舌を捕らえて、無理矢理絡ませた。
ぴちゃ……と。
水音が、何度も響いて。
彼女の口元から溢れた唾液が、顎を伝っていく。
「んっ、だめ……っ」
首もとへと動いた彼の唇。
自由になったその口で、凛は彼に訴える。
「ね、どうしたのっ?」
「何が」
「さっきも言ったけど、今日は」
「うん。覚えてるよ」
「だったら――――」
「でも我慢できない」
彼女の言葉を切るようにそう言って、部屋着の裾をまくる。
下着が見えて。一瞬、悠斗は躊躇って。でも。
「……したい」
呟くように、言った。
やり場のない感情の行き場が他になくて。
ただ、どうしようもなく彼女を抱きたくなって。
――だって。
凛は……凛は俺だけの。
俺だけの――――。