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その、透明な鎖を
第1章 そこにいたのは
――こんなの。
俺が凛に会いたがっているのがバレバレじゃないか。
悠斗は、そう思いながらも。
気持ちは否定できなくて。
おとといの夜も。
昨日だって、結局彼女のことが気になってしまっていたんだ、と。
会いたいって思ってしまっていたんだ、と。
だから。
……だから――――。
「だめなの」
けれど。
彼の、頭で考えていたそれらの思いは、彼女のそのたったひとことで行き場を失う。
「土日は私がだめなの」
繰り返される、断りの言葉。
「そう、なんだ」
どうして? とも聞けず。
ただ彼はその言葉を受け入れるしかなくて。
「だから月曜日、待ってるね」
凛のその言葉に、小さく頷いて。
そして悠斗はその場を後にした――――。