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その、透明な鎖を
第2章 雨の匂いが
それから一ヶ月ほどが過ぎた。
あれから、月・火・木のバイトの日。
時間が許す限り――30分ぐらいのほんの短い時間だけだけど、悠斗はいつも凛と会っていた。
彼女は、高校生活にやはり興味があるらしく、そのことや。
彼自身に関すること。
いろいろと聞いてきて、それに彼が答えて……という形が主だった。
悠斗からも何度か彼女に質問したけれど、たいていは濁されて。
自分のことを話すのはあまり好きじゃないんだろうかと、思っていたところだった。
そして今日も、彼は彼女とそんなふうに会っていた。