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その、透明な鎖を
第2章  雨の匂いが


「……最近ね、木曜のあとがすごく長く感じるの」


話の途中、不意に凛にそう切り出されて。


「だって月曜まで3日間もあるでしょ?」

「ああ……うん」


――そんなの、俺だってそう思ってて。
でも、凛が土日は無理だって言うから。

……というか。
この関係っていったい何なんだろう。


最近、悠斗はそんなことも考えるようになっていた。


「悠斗と話すの楽しいから、ほんとはもっとゆっくり会いたいんだけどな」

「凛……」


凛は、自分をどう思っているんだろう。
そして自分にとって、彼女はどういう存在なんだろう。

凛に会いたいと、悠斗はいつも思っている。
実際会えると嬉しいし、こうやって話すのは間違いなく楽しい、と。
彼女のことを可愛いと思う、と。


――それって、好き……ってことなのかな。
    

今まで悠斗は女の子と付き合ったことはない。
話はするけど、男友達と話していた方が楽しくて、積極的に彼女を作ろうと思ったこともなかった。
だから、好きっていう感情も正直言ってあまりよくわかっていない。


――でも。
凛のことは。


彼女のことは――……。



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