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その、透明な鎖を
第1章 そこにいたのは
――誰か、いる。
彼はそれに気づいた。
学校からバイト先に向かうときに通る道。
そこを歩いている最中のことだった。
川沿いの、人通りもあまりないような静かなその場所――そこに、誰かがいるのを。
まず目に入ってきたのは、その黒く長い髪。
スカートからすらりと伸びる、白い脚。
彼女は、川辺に降りていて。
川の中に少し入っては出て。
スカートの裾をつまんで、踊るように。
それを、繰り返す。
楽しそうに。
笑い声まで聞こえてきそうなくらい、はしゃいだその様子――――。