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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「嘘だったらいいのに、って……そんなの、誰よりもオレがずっと思っていたんだ……」
「パパ……」
「凛がオレの子だったら、って。どんなに願ったか――――」
苦しそうに、顔を歪める。
……何?
わからない。いったい、パパとママの間に何があったの?
パパを見つめても、下を向いたまま頭を抱えて、それ以上口にしようとしない。
「……パパ。いったい何があったの」
知るのが怖い。
でも、知らないままではきっともういられない。
そこまで聞かされて、知らないふりなんてもうできない。
「パパが、私のパパじゃないってどういうことなの? ねえ……」
その言葉に、ちらりと私を見て。
少しの沈黙のあと、大きく息を吐き、それから静かにパパは口にする。