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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「そんなの嘘! だって……だって、パパとママはちっちゃい頃から好き同士って言ってたじゃない――――!」
子供がどうやってできるかなんて、もう身を持ってわかってる。
愛し合ってたはずのふたりなのに、そんな……。
だって、パパが私のパパじゃないなら、それはママが、パパ以外の他の誰かとああいうことをしたってことで――――。
「パパは……ママが浮気したとか、そういうふうに思ってるの……?」
そんなの、そんなのあるわけないのに。
だってママは、子供の頃からパパが大好きだった、って言ってたんだから。
「……パパ、私がこんな状態だから、私の気持ちを楽にしようとして、それでそんな嘘を――――!」
「嘘じゃない!」
パパが声を荒げた。
今まであまり聞いたことのないそれに、びくっと私の身体が強張る。