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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「だれ、に」
思わず呟いた言葉に、パパは首を振る。
「……わからない」
「え」
「わからないんだ」
……わからない?
「突然襲われて。桜も、見たことない男だったと――――」
「……っ、パパ!」
頭に浮かんできた、その考えが。
パパの言葉を止めさせる。
だって、それって。
ねえ、それって――――。
「……じゃあ、私は、そのときにできた……子供、ってこと……?」
その、見ず知らずの男が。
ママを襲ったその男が、私の本当の父親――――?