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その、透明な鎖を
第12章 私の存在理由
「……パパ」
数日後の夜、私はパパの部屋に行った。
廊下の明かりが少し入った室内は、ベッドに入って既に眠っているパパの姿をぼんやりと照らす。
ベッドの脇に膝立ちして、私はパパを呼んだ。
「パパ」
もう一度、呼ぶ。
軽く、その身体を揺すりながら。
「……ん……」
気づいたパパは、ゆっくりと目を開けた。
私を視界に認めると、少し驚いた様子で身体を起こす。
「……どうしたの、凛」
私は、こくり、と喉を鳴らして。
「私……ここで寝ても、いい?」
「……え」
私の言葉に、パパは戸惑いを隠せない様子で。
「凛、それは……」
「お願い、パパ」
パパの返事を聞かず、ベッドにあがる。