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その、透明な鎖を
第12章 私の存在理由
「ちょっと、凛……!」
慌てるパパを壁際へ押しやるようにしながらスペースを作り、私は布団の中に潜り込む。
「……凛、っ」
戸惑うパパの声。
その腕を掴んで引くと、バランスを崩したパパが、ベッドに……私の上に倒れ込むように。
「わ」
驚いたパパは声を上げ、すぐに私から離れた。
私は、隣で仰向けのようになっていたパパの上に覆い被さるようにして抱きつき、その身体をぎゅうっとした。
「……昔、こうやってよく一緒に寝てた」
「そんなの凛が小さいときの話で――――」
「お願いパパ」
私は、その言葉を切り。
さらに腕に力を込める。
「……お願い。拒否しないで」
声が、少し震えた。
「凛――――」
私の様子に何を感じたのか、パパは戸惑いながらも、私の顔を下から覗き込もうとする。
私は顔を背けてそれから逃れた。