この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その、透明な鎖を
第12章 私の存在理由
「他にどんな方法があるの?」
「凛……」
「私はパパと前みたいになりたい……なのになんか、話しかけるときも無意識に緊張しちゃうし、擦れ違うときも身体、ぶつからないようにすごく避けたり、触れたとき思わず手をひっこめちゃったり……今も変わらないじゃない……。
そういうの、なんかもうやなの……変に意識しあってるみたいな雰囲気、すごく、すごくやだ――――」
どうせもう、引き返せない――――そう思った私の口からは、さっきまでが嘘のように言葉がすらすらと出てきて。
「……ほんとの親子じゃないって知るまでは、もうずっと……ずっとこのままでいるしかないのかなって思ってた。
でも。でもパパが、それ教えてくれたから。だから。ならもういっそ、そういう関係になっちゃった方が」
「……っ、そんなの――……」
目を細めて、苦しそうにパパは私を見る。