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その、透明な鎖を
第12章 私の存在理由
「お願いパパ」
私はそのまま、パパの身体に再び覆い被さるようにして抱きつく。
「私、ママの代わりになるから」
その言葉と共に。
「……え」
パパの身体が、ぴくりと動いた。
「私をママだと思って――――この前みたいに」
「……凛、っ」
その、苦しそうな呟き。
はあっ、と深く息を吐く、その気配。
「お願い、パパ……」
ぎゅっ、と。
その身体に抱きついている腕に、私はさらに力を込めた。
「凛、だめだ」
「やだ」
「だめだよ、どいて」
「っ、やだっ……お願い、さわって?」
「……だから! だめだ、って――――」
パパはそれでもそう言って首を振る。
でももう私も後には引けなかった。