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その、透明な鎖を
第12章  私の存在理由


私は、パパの手を掴んで自分の胸へと持っていく。
そこに触れてびくっ、と手を引こうとするパパに、お願い……と呟いて、さらに強く胸に押しつけた。

でも、その手はそのまま動かない。


「パパ、お願い……!」


それでも、パパは。
思わず私は唇を噛みしめる。


なんで?
なんで、パパはそんなに頑なに私を拒むの?


「パパ……っ」


なんで、私の言葉は受け入れてもらえないの?
――私を、受け入れてもらえないの?


「……う」


パパのためにママの代わりになりたい。
でなきゃ、私がここにいる意味がない。
私が、ここにいる、いてもいいという確かな理由がほしい。

……そんなことを思いながら。
私から目を逸らしたまま苦しそうな顔をしてるパパを見つめていたら、なんだか私も苦しくなって。
もう目を開けていられなくなって。


「……っ」


閉じた目から、涙が零れた。


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